契約恋愛~思い出に溺れて~
「達雄の家に行ったら、妹がでるかもね」
「あ……」
「確かめてやれば。達雄の為に」
「なにを?」
「兄妹の絆は、本当に切れないものなのか」
「え?」
「達雄は結局、一生妹を忘れられないんじゃないかと思う。
アイツはずっと誤魔化し続けてるけどね。
そんな風に誰かをずっと想うって、俺からすれば考えられないことでさ。
昨日言ったでしょ、欠陥品って。
俺は愛情がそんなに続くものってのが信じられない。
だから、そういうのって叶うものなのかどうか、興味があるんだよね」
「でも、今日は妹さんはデートって言ってなかった?
婚約者とでしょ? 泊まってくるんじゃないの」
「それがいつもちゃんと帰ってくるんだよ」
私は驚いて、英治くんを見た。
彼は、目をそらさずに私を見続けている。