契約恋愛~思い出に溺れて~


「外泊しないのは、達雄だけじゃない。妹もなんだ。
もちろん何度かはしてるんだろうけどな。そういう日の翌日は大抵アイツ具合が悪かったから」

「……」

「でも、殆どは帰ってきてるみたいだった。だからいつも達雄は必ず家に帰る。女と一緒の日だって」

「……それじゃあ」

「俺の予想じゃ、妹だって絶対達雄に気があるんだと思う。ただ認められないだけなんだ、2人そろって」

「じゃあ……」


以前、彼の妹と会った日の事を思い出す。
絡みつくような視線。

やっぱり、あの時私が感じたのは嫉妬だったのかもしれない。

だったら、達雄は綾乃ちゃんにちゃんと告げるべきなんだ。
彼女が本当に、手が届かなくなってしまう前に。

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