契約恋愛~思い出に溺れて~


「わ、わかったわ。じゃあ達雄は私が送り届けるから」

「うん。はい、これ。足りない分は達雄に請求して」


そう言って、彼は1万円札を2枚取り出して私に渡す。


「こんなに……」

「来る時のタクシー代と達雄の家から帰るタクシー代。足りないかも知れないけどね」


これだけあったら、代行を呼んで達雄の家を経由してここに帰るくらいのことは出来たはずだ。

なのにわざわざ私を呼びつけたの?

やっぱり分からない。
英治くんが何を考えているのか。
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