契約恋愛~思い出に溺れて~
第1章
あの日の記憶
存在を強く主張するかのように、真夏の日差しが照りつける。
砂浜は焼けたように熱く、水面はまるで宝石のように煌めく。
私は裸足の足をそっと砂浜に投げだした。
――熱くない。
そんな風に思う自分とは対照的に、砂浜の上の自分は、足をばたつかせる。
意識が別にあるような感覚が酷く不自然で。
ああこれは夢なんだって、思えた。
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あの日の記憶