契約恋愛~思い出に溺れて~
心配してくれる渚の事はありがたいと思う。
だけど、不満を言葉にするのは苦手だ。
一度言葉に出してしまうと、取りつかれたようにそれが気になってしまう。
「ね。紗彩、2次会も行くでしょ? 今日は盛り上がろうぜー!」
「ううん。私は1次会で帰る。紗優の事も心配だから」
「お母さん見ててくれるんでしょ? それに今から帰ったって寝てるじゃない」
「うんでも。……帰るわ」
ちょっと、疲れていた。
仕事も慣れるまでは気が抜けなかったし。
橘さんの嫌味も今日は堪える。
多分、昨日の夢のせいだ。
何だかすごく色々なことが辛く感じるのは。