契約恋愛~思い出に溺れて~
少し酔いが回った状態で、1次会が終了する。
「横山、次行かないのか? まだ早い時間だぞ?」
誘ってくれるのは部長。
時計を見れば、夜の8時を20分ほど過ぎたあたりだ。
もっと時間が経ってると思っていたのに、始まりが早かったから終わるのも早かったのか。
だけど、先ほど渚に告げた理由を言って、頭を下げた。
私以外の皆は、夜はこれからとばかりに次の店へと向かいだした。
それを見送って、一つ溜息をつく。
『子供ほったらかして仕事ばっかりなんて最低だよな』
先ほどの橘さんの言葉が、胸に突き刺さってくる。
そうだ。
それは本当の事だ。
確かに私は、紗優を放ってばかりいる。