契約恋愛~思い出に溺れて~
『待ってるからいいよ』
「じゃあ、月曜は定例会議が入ってるから必ず遅いの。週頭だけどいい?」
『わかった。じゃあ、仕事終わったら連絡して』
「うん。……あ、そう言えば」
『なに?』
「達雄、元気なの?
この間、ちょっと話す機会があった時、なんか様子がおかしかったんだけど」
『ああ。なんかおふくろさんが調子悪いらしい。今あいつバタバタしてて。ゆっくり話も出来ない感じ』
「そう」
でも、達雄のお母さんが病弱なのは前からだ。
付き合っていた二年間の間にも、何度か病院から呼び出しがかかったりもしていた。
だから私はそれほど気にせず、達雄のことは頭から抜けて行った。
『じゃあ、おやすみ』
「おやすみなさい」