契約恋愛~思い出に溺れて~


『待ってるからいいよ』

「じゃあ、月曜は定例会議が入ってるから必ず遅いの。週頭だけどいい?」

『わかった。じゃあ、仕事終わったら連絡して』

「うん。……あ、そう言えば」

『なに?』

「達雄、元気なの? 
この間、ちょっと話す機会があった時、なんか様子がおかしかったんだけど」

『ああ。なんかおふくろさんが調子悪いらしい。今あいつバタバタしてて。ゆっくり話も出来ない感じ』

「そう」


でも、達雄のお母さんが病弱なのは前からだ。
付き合っていた二年間の間にも、何度か病院から呼び出しがかかったりもしていた。

だから私はそれほど気にせず、達雄のことは頭から抜けて行った。


『じゃあ、おやすみ』

「おやすみなさい」

< 223 / 544 >

この作品をシェア

pagetop