契約恋愛~思い出に溺れて~
今でもユウを忘れた訳じゃない。
だけど、
英治くんの事を、好きになってしまった。
もう否定も出来ない。
だってこんなに悲しくて。
苦しくて胸が痛い。
この恋が叶わないのは、
きっとユウ以外の人に心を奪われてしまった罰だ。
「横山さん?」
「え?」
「会議、終わったよ」
「あ……すいません」
いつの間にか、皆が席を立っていた。
私の資料には、書き込み途中で止まったままの線が引かれている。
「いけない。すいません。後で私が消すので、ホワイトボードそのままにしていてください」
私は慌てて資料に書き写して、皆が居なくなった会議室で溜息をついた。
全然頭に入ってない。
恋愛で、仕事に手がつかないなんて最悪だ。