契約恋愛~思い出に溺れて~
「行こう」
「行こうって、どこに?」
「どこでもいいよ。そうだな。紗優ちゃん、行きたいところは?」
「え? どこでもいいの?」
「いいよ。好きなところに連れて行ってあげる」
「本当!!」
紗優は嬉しそうに笑って、英治くんに抱き付いた。
素直な子供が羨ましい。
「じゃあ水族館がいい!」
「水族館? 今からだと、少ししかいれないけど、それでもいい?」
「うん!」
喜ぶ紗優を車に乗せて、英治くんは私を手招きする。