契約恋愛~思い出に溺れて~

英治くんが眉を寄せる。


「信じられない?」

「だって。英治くんは本気になったら別れるって」

「うん。受け止めきれないからね」

「じゃあ……」

「でも、受け止めたいって初めて思ったから」

「嘘……」


ホントに?
本当に私の事好き?

子持ちで、いつまでも未練たらしく死んだ旦那を想ってて。
弱ったら弱ったで、他の男の人に慰めてもらっていたような私を?


「だって紗彩ちゃん、意地っ張りなんだもん」

「なにそれ」

「放っておけないでしょう」

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