契約恋愛~思い出に溺れて~
「またすぐ会えるんだし?」
「え?」
「彼女なんだし」
「ええ?」
「違うの?」
いや。
違わない。
違わないで、いいんだよね。
「違いません……」
「はは。じゃあ、行こうか」
エンジンがかかって、車が動き出す。
「今度、平日どこか時間とってくれる?」
「うん」
そんな約束に、一安心して前を向く。
ライトをつけてしまったから、先ほどより夜空が見えにくくなったけれど、そこには確かに星や月が光っている。