契約恋愛~思い出に溺れて~
「色々、話さないとなって思ったたんだ」
「色々って?」
「挨拶とかにも行きたいし」
「挨拶って?」
「紗彩ちゃんの親に」
「え?」
私の方は動きが止まる。
挨拶って、……何の?
「あれ? 紗彩ちゃんはそのつもりない?」
「え、いや、あの」
「仮にも子供のいる人とつき合おうってんだから、結婚を前提にするもんでしょ?」
「結婚……」
顔が赤くなるのは、お酒のせいだけじゃない。
嘘でしょ。
英治くんが、そこまで考えてくれてるなんて。