契約恋愛~思い出に溺れて~
紗優の話でよく出てくるサトルくんは、一つ年下の子だ。
行事で会った時にお母さんとも話した事があるけど、気さくな人だった。
ただ、仕事場の近くだから今の保育園に連れて来てるだけで、家は少し離れたところだったように思う。
ということは、もしかしたら同じ小学校には上がらないかも知れない。
「おじちゃんとは、またあえる?
ならサユ、たのしいからいいんだけど」
「はは。それはサトルくん残念」
「どうしてぇ?」
「さあね」
いつもの余裕のある笑みを浮かべながら、英治くんは楽しそうに紗優と話をしている。
これからは会いたい時に会える。
そう言ったら、紗優はきっと嬉しいんだろうな。
私も嬉しい。
すごく安心して、楽になった気持ちがする。