契約恋愛~思い出に溺れて~
もう二度と、大切な人を失いたくない。
英治くんとこの先をいつまでも一緒にいたい。
その為には、与えられるだけじゃなくて、
私はきっと、自分から手を伸ばさなきゃいけないんんだ。
そう、実感したこの日。
晴れ渡った空がまぶしくて。
ずっと過去にこだわってきた自分の殻が、ポロポロと落ちて行くような気がした。
きっと、ユウは責めない。
前を向く、私とサユを。
だって、あなたの記憶が私たちを強くした。
一緒に過ごした年月が、私や紗優の中に溶けて、確かに存在している。
この先、英治くんと共に過ごすようになっても、彼の存在が増えていくだけで、あなたはきっと、無くなったりはしないのだろう。