契約恋愛~思い出に溺れて~
彼からの一歩
むき出しの肩に寒さを感じて目を覚ます。
隣には、寝息をたてている彼。
時計を探して部屋の中を見回すも、暗くてよく見えなかった。
布団から起き上がり、散らばった洋服を探しだし、寒さに負けてまたベッドの中に戻る。
「……ん」
私の出入りに、当たり前だけど英治くんが気がつく。
「ご、ごめんね。起こして」
「いや。何時?」
「分かんないけど。私、紗優が起きる前には帰んないと」
「……ああ。そうだね」
英治くんは目をこすって、枕元の明かりをつけた。
眩しさに目が慣れずに、何度か瞬きをしてると、にこにこ笑いながら彼がこっちを見ている。
「なに?」
「いや。いい眺めだなって思って」
「眺めって……っつ」
そういえば、服は持ってきたけどまだ着てなくて。
丸見えの状態だったんだ。