契約恋愛~思い出に溺れて~
「や、ちょっと」
布団の中から毛布を引っ張り出し、それで体を覆う。
「隠さなくても。もう昨日見ちゃったし」
「でもっ、だってほら。私もう32だし」
「年は関係ないでしょ」
「あるわよ……」
水族館で見た時に、一緒にいた女性を思い出す。
だって英治くんは、あんな若い子とでも付き合ってたじゃない。
あの人に比べれば、きっとハリとかキメの細かさとか全然足りない。
「綺麗だったよ?」
「そんなことないもん。子供だって一人生んでるんだから」
「大丈夫だって、ほら」
「や……、もう!」