契約恋愛~思い出に溺れて~
「俺は、欠陥品だけど。多分、だからこそ、思い出ごと君を愛せる」
「……」
「ユウさんとの思い出ごと、いつか俺のところに来てくれる?」
「えい、じ、くん」
「返事は?」
「は、……はい」
夢みたいな言葉に、頭が回らない。
だって。
初めてお泊りして。
まだ裸のままでそんな事言われて。
こういうのって、もっとちゃんとしたタイミングで言われるものじゃないの? なんて思ってもみるけど。
やっぱり嬉しくて、自然に涙が浮き上がってくる。
「う、嬉しい」
「……良かった」
彼はもう一度私にキスをして、そして立ち上がって時計を見た。