契約恋愛~思い出に溺れて~
紗優は、新しいお友達も出来たらしく、にこにこしながらも。
「しゅくだいが大変」
とこぼしていた。
それでも休みの日は、前日までに宿題を終わらせて、
英治くんにキャッチボールを教えてもらったり、
一緒に出かけたりしていた。
英治くんとも、今まで通り。
仕事がどうしても遅くなる日や、
土曜日の紗優が寝た後なんかに彼の部屋に行っては、
一緒に過ごして朝方に帰るなんて事を繰り返していた。
両親も、それなら一緒に暮らせばどうだと
最近では言ってくれるようになったけれど、
紗優の学校の事を考えるとなかなか結論を出せず、
曖昧なまま4月の半ばを迎えようとしていた。