契約恋愛~思い出に溺れて~


「とにかく、私は後から知らされたらへこむから、ちゃんと教えて」

「分かったよ」

「遅れたけど、お祝いも考えとく」

「別に、紗彩でいいよ」


そう言うと同時に肩を引っ張られて、ベッドの中央にうつされる。

上を見れば、英治くんの顔が小さなランプに照らされて、魅惑的にうつる。

肩越しに天井。
近づいてくる彼の瞳は、近すぎてぼやけて見える。

私は咄嗟に、彼の口を手でふさぐ。


「ちょ、さっきしたばかりでしょ」

「またしたっていいでしょ」

「ダメー。今は違う話してたじゃない」

「ちぇ」


目元にキスをして、諦めたように彼は私の脇に再び横たわる。


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