契約恋愛~思い出に溺れて~
「紗優ちゃん、寝たの?」
タオルで頭をこすりながら、浴衣を着崩す彼は妙に色っぽい。
私はドキドキするのを誤魔化すように、小さな音でテレビをつけて、ニュースを見ていた。
「うん」
「じゃあ、こっちおいでよ」
もう一方のベッドを、ポンポンと叩かれる。
私は苦笑しながら彼の傍に行った。
「今日はお疲れ様」
「うん。紗彩も。色々ありがとう」
「私何にもしてないよ」
髪を撫でるように触られて、首のあたりまで落ちてきた時に引き寄せられる。
唇の感触と同時に、目元には彼の濡れた髪が触れる。
目をつぶって体の力を抜くと、髪を撫でながら彼は少し低い声をだした。
「……色々、懺悔してもいい?」
「懺悔って?」
彼の腕の中で、体温に安心していた私は、その言葉に少しビクリとする。