契約恋愛~思い出に溺れて~
「後は?
紗彩のご両親に挨拶行って、俺の親父に挨拶して。
優さんのご家族のとこにも行った方がいいのか?」
「英治くん……肝心なこと忘れてる」
「何?」
嬉しさで目が潤みながらも、
おかしくなって自然に笑みがこぼれた。
「紗優には聞かないの?」
「ああ、そっか。そうだね。忘れてたよ」
笑いながら、彼は私の両肩を掴み、ゆっくりベッドへ押し倒す。
「明日、聞こうか」
「……うん」
彼が手を伸ばして、テレビを消し部屋の明かりをリモコンで操作する。
薄暗くなった部屋で彼に見下ろされて、鼓動が少し激しくなった。