契約恋愛~思い出に溺れて~
「ママ、お水いる?」
「うん。ありがとう」
紗優の調子がすっかりいつものように戻っている事に安心した。
二人が、私の食べる姿を静かに見ている。
目が合って、ちょっと恥ずかしくってそらして。
でもまた目が合う。
そんな感じでただ、三人で寄り添うように傍にいて。
それだけでも幸せなんだって思えて。
言葉では言えないような愛おしさが湧いてくる。
「ごちそうさま。おいしかったよ。ありがとう紗優、英治くん」
「えへへー」
「よくなってきて良かったな」
笑ってくれる二人に感謝して、紗優から受け取った水を飲み干す。