契約恋愛~思い出に溺れて~
これで、私たちの関係は『一夜限りの相手』から『恋人』になった。
愛してはいないけれど、互いに相手に癒しを求めている。
普通ならば正しくない関係。
少なくとも昔の私なら、こんな関係に絶対納得なんかしなかったはずだ。
大人になるということは、
色んな意味で『許す』ことを覚えることなのかも知れない。
間違いを許さない強靭なほどのまっすぐさは、若い時しか持ち得ないものなんだろうか。
こんな狡さも、こんな甘えも、
許容できる。
そんな大人に、私はもうなってしまったんだ――――