契約恋愛~思い出に溺れて~
そんな風に何度か会って、親しさが増すごとにいつしか呼び名も変わっていく。
「よう、紗彩ちゃん」
その日は英治くんが一人で座っていた。
隣の席には空のグラスがある。
「こんばんは、英治くん。達雄は?」
「今、トイレ行った」
「そう。ここ座っていい?」
「もちろん」
私は英治くんの隣に座った。
彼の隣に居ると煙草の香りがする。
そんなに体に染みついてるなんて、結構なヘビースモーカーなのだろうか。