契約恋愛~思い出に溺れて~
同期と言うから最初は同い年だと思っていた二人は、実は2歳の年齢差があるらしい。
英治くんの方が年上。
だからだろうか、彼は手のかかる弟でも見るように、達雄の事を扱う時がある。
私は更に達雄より3つ年下なのだけど、何故か彼の事は弟のように感じることもある。
「なんでやけ酒?」
「紗彩ちゃんに教えちゃっていいのか?」
「ああもう。いいよ。二人で好きに話せば。……マスターもう一杯お代わり!」
拗ねてしまった達雄をよそに、英治くんの方へ耳を寄せる。
「何なの?」
「妹が初めて外泊して帰ってきたんだと」
「あらまあ」
最愛の妹、"アヤ"ちゃんね。
でもどうして、妹に恋愛なんてしてしまったのかしら。