契約恋愛~思い出に溺れて~


 朝のその話を、何の気なく達雄にした時、彼はあっさりと言った。


「いいよ。俺が車だそうか。サユちゃんも一緒に行く?」

「や、それは」


それは助かる申し出だったけれど、私としては達雄をサユに会わせるつもりはなかった。


「出してもらえるなら、ちょっと早く終われそうな平日の夕方とかでもいい?」

「いいよ。俺、普段は車で出勤してるから。飲む日だけ電車でくるんだ」

「じゃあ、前もって連絡する」

「うん」


疑問に思われなくてホッとした。
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