契約恋愛~思い出に溺れて~
その後、車で家まで送ってもらう。
「お茶くらいあげたいけど……」
「いいよ。親も同居だろ? 俺は偽の恋人だからな」
「ごめん」
「お互い様だよ。またな」
笑って、玄関前に本棚の入った段ボールを下ろすと、そのまま車に戻っていく。
「ありがと」
小さくお礼を言うと、笑顔を見せて車を走らせた。
「さて」
下ろしてもらった本棚を中にいれなければ。
気合いを入れて持ちあげると、確かにかなり重い。
一人で運ぶのはキツイくらい。
それでも、5分ほどかけて普段は使わない座敷にまで運んだ。
休みの日にでものんびり組み立てよう。