幸せ探そうぜっ!!
“えっと…”禁止令
毎日あたしは荒井君により放課後、幸せ探しのレッスンを受けることになった。
集合場所は図書室。
集合時間は放課後すぐ。
部活に所属していないあたしと荒井君。
つまり暇人。
そんなあたしたち。
共通点があるなんておこがましい。
「あ、森下!遅いぞ!」
同じクラスだから終わる時間は同じのはずなのに荒井君はすでに図書室にいた。
「……早っ」
「掃除サボった」
だめだろ。
荒井君は案外なんでもやっちまうタイプらしい。
「……何するの?」
いまだにあたしは荒井君が何を考えてくれているのかわからない。
あたしなんかのために力を貸してくれる。
どうしてもからかっているとか、遊んでいるとしか思えなかった。
「……もしかして、俺が遊んでるとか思ってる?」
ばれてました。
「……」
何も言わないのを肯定と受け取ったのか、荒井君は苦笑いをした。
「まぁ、すぐに信じろなんて言わないけど、そのうち信じてよ」
荒井君はあたしを決して急かそうとはしなかった。