幸せ探そうぜっ!!



「そんなのわかんないよ?さがしてみなきゃ」


なんてポジティブ。


「あっ、ほら!幸せ一つはっけーん!」


大きな声で、そんなことをいうもんだから、ご近所のおばさまがこちらを見る。


やめてください。


「こっちこいよ!」


あたしが静かに荒井君から離れようとしていたのに、荒井君はあたしの腕をつかんで、ひっぱった。


「見てみ。これも立派な幸せだよ」


そう言って荒井君があたしに見せたのは、小さな花。


「……こ、れ?」


「そう、これ」


荒井君特有のふにゃりとした笑顔で、あたしに笑いかけた。


――かわいい


じゃなくて、この花が、幸せ?


「こんなコンクリートの中で一生懸命咲いてさ、かわいいよな」


――彼にとってはこんな小さなことでも幸せなんだ


「見方を変えればどれだけでも幸せに見える」


例えばその辺に転がっている石にだって幸せを見つけられるかもしれない。


なーんてね。





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