幸せ探そうぜっ!!



本当に思ったから言葉にしたのに、荒井君は少しびっくりした顔をした後、優しく、彼特有のふにゃりとした笑顔を見せた。



「俺はちょっと手伝っただけだよ。何もかも、変えたのは森下だよ」



自分で言ったくせに、荒井君は照れた。


それがまた可愛くて、笑ってしまった。


「なぁ、もう、俺の手助けいらないな……」


「え……?」


突然の荒井君の言葉にあたしは気の抜けた返事しか返せなかった。


「だってもう森下は俺の手助けなしでも幸せ見つけられてるだろ?」


――違うよ


「だから、俺もう教師卒業かなぁって」


――やだよ、


荒井君がいるからあたしは幸せなのに。


荒井君がいなかったら、きっとあたしは幸せになんかなれないのに。




でも、それを言葉にはできなかった。




――――もう、あたしから離れちゃうの?



あたしなんかいなくてもいいの?




荒井君に止められていた言葉をあたしは無意識に使っていた。



あたし“なんか”って。






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