幸せ探そうぜっ!!
深呼吸をする。
何度も。
落ち着くまで何回も。
その間荒井君はあたしを焦らすこともせず、怒ることもない。
「――あたしは荒井君の初めてじゃないから」
「は?」
やっと言えた言葉。
なのに、帰ってきたのは間抜けな声。
「ごめん。意味がわかんない」
珍しい。荒井君がちょっと焦ってる。
「だから、その――」
「うん?」
「女の子の中でも、荒井君のことを名前で呼ぶ人がいて、その人はあたしより荒井君の名前を呼ぶのが早くて……」
やっぱり整理できてないみたいだ。
自分でも何をいっているのかよく分からなくなってきた。