幸せ探そうぜっ!!
「……」
何も答えないあたしに荒井君はため息をはいた。
――またイラつかせた
あたしが。
不幸なうえに、あたしは人をイラつかせるようだ。
「とにかく、傘に入って」
捕まれた腕をひっぱられて、せのまま傘の中へ。
「ねぇ知ってる?幸せと不幸って最終的に同じ重さになるはずなんだよ」
それは知ってるよ。
「だから、森下にだって幸せはたくさん起こってりはずだよ。不幸な分だけね」
でも…………
「あたしは、自分に自信が持てない」
これが本音。
下ばかり向いているのは、よく水溜まりに足を突っ込むからじゃなくて、
自分に自信が無くて、前を向くのが怖いだけ。
声が小さいのは、元からじゃなくて、
誰かに聞き返されればその分だけ長く話せるから。
前髪が長いのは、性格が暗いからじゃなくて、
みんなのいる眩しい世界を直視したくないから。
「俺が、」
「え?」
「俺が、お前の幸せ探してやんよ」