星降る日
~幼なじみ~
しんすけ、覚えてる?
私達はいつも、
星の見える丘に行って
星を見てたね。
まだ6歳だった。

「さきちゃん!お星さまだよ」
しんすけはいつも笑ってた。
「知ってるよ」
「さきちゃん知ってた?」
「何を?」
「あのね、12月のね、
28日に、好きな人と一緒に
空を見てると星が降って
くるんだよ」
「12月28日って…(笑)
しんすけの誕生日じゃん」
「ほんとだもん!」
しんすけは頬を膨らませて
言った
少し沈黙が続きしんすけが
口を開いた、
「一緒に見ようね」
そういって私の手を握った。
「うん」
私はそう言った

これがしんすけとの
最後の会話、
最後の約束だった。

次の日、しんすけは事故で
帰らぬ人となった。
人の死を深く分からなかった
私は、その年の12月28日
あの丘で待ち続けた。
私を探しに来たお母さんが
泣きながら言った
「しんちゃんはもういないの」

その日は星一個ない空だった



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