星降る日


11月4日。


今でも忘れられない。
忘れることのない。
しんすけの命日。

私はしんすけに手紙を書いた

今の状況と初めて
しんすけに伝える
あの時の私の気持ちを。

私は書き始めた。

“しんすけへ。

しんすけがいなくなってもう5年がたつね。
ねぇ。覚えてる?
4歳の冬、私達は雪合戦してた。通りかかった犬が怖くてしんすけ泣いてたよね。でも、私が泣き出したら
「大丈夫だよ」って頭を撫でてくれたよね。
5歳の春、いっつも一緒に保育所に行ったよね。手を繋いで歌いながら行ったね。帰りは毎日寄り道したね。桜の木の下で一緒にお弁当食べたの覚えてる?しんすけが木に登るって言ったときビックリしたよ。でも、その理由が私に桜をくれるためだと知ったとき嬉しかった。
5歳の冬、あの丘を見つけたね。いつ見ても星がきれいで遠くにあるはずなのに今すぐつかめそうな気がしたよ。
しんすけ、覚えてる?
あの約束、12月28日。
一緒に見る約束したじゃん。
なんで?何で今ここにしんすけはいないの?
神様お願いだから私の大事な人を返してください!
私はどうなってもいいから…”

これ以上は書けなかった

涙が頬をつたい手紙におちる
私はその涙をぬぐう
でもまた落ちてとまらなくなった。

ゆっくりと時間は過ぎていく
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