あの夏の僕ら
~七夕の日に~
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7月7日
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今日は七夕。
彼女の願いを吊るさなくては…。
そう思うのに、彼女に逢いたくて逢いたくて堪らなかった。
その日は、朝から彼女に会えなかった。
最後なのに、最期なのに。
会うことが出来なかったんだ…。
夜美公園
僕はそこに短冊を吊るしにいった。
出来れば君と来たかった。
吊るすとき見えた、短冊を僕は今でも覚えてる。
『これから何十年先も、君と過ごせますように。
いつまでも笑いあっていられますように。』
ポタポタと短冊に涙が落ちた。
君の願いが、どうか、
叶いますように。
ただひたすらに、願っていた。