うそつきでごめん





「気安く触らないでよ」


わざと突き放すような言葉を選んでその手を払いのけると、先ほどまですやすやと寝息を立てて机上にうつ伏せになっていた身体を物憂いげに起こす。彼は変わらず笑っていた。



本当に変なやつ。




「あ、悪い。無意識でやった。だって佐藤さんの髪、陽に当たってすげえあたたかそうで触り心地よさそうだったからついね」


案の定また触りたくなったと付け足した目の前の男はそれ以上わたしに触れることはなかった。



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