僕は生徒に恋をした
だって今、山田と花火を見てるのは手嶋先生じゃなくて俺で。

もし山田の言うジンクスが小野寺が言っていたのと一緒なら、俺と両思いになりたいってことになる。

まさかな。

俺は自分で自分の考えに笑ってしまった。

そんなのありえない。

だって山田は手嶋先生が好きなはずだ。

それに、俺は山田からバレンタインにチョコをもらった記憶もない。

当時、山田に何の感情も抱いていなかったとは言え、さすがにチョコをもらっておいて記憶にないとは考えにくい。

単なる俺の考えすぎだ。

都合がいいにも程がある。

また次の花火が上がり、山田が小さな歓声を上げた。

彼女と一緒に花火を見られる、ジンクスなど関係なく、俺はそれだけで幸せに思える。
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