僕は生徒に恋をした
もし山田が誰かと付き合うとすれば、武内のような同じ年代の男がいいのは分かっていた。

俺のような一回り近く歳の離れた男に好かれても、彼女には何のメリットもない。

俺は、それでも彼女を好きになってしまった者として、彼女が最良の道を選ぶようにしてやる責任があるし、彼女の選択を受け入れる義務がある。

「付き合った方がいいっていう意味？」

山田の視線が俺の胸を射抜く。

もしかして、俺の気持ちはとっくに彼女にバレていて、試されているのではないかとさえ思えてくる。

そうでなければ、昨日の言動も今にしてみても説明がつかない。

普通ただの一教師に、気のあるような振りをしたり、恋愛の相談なんかしないだろう。

俺は山田にからかわれているのだろうか。
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