僕は生徒に恋をした
ふと、コーヒーの匂いがした。
昨夜コーヒーメーカーを使った覚えはなかったが、頭痛がひどかったため、そんなことを気にする余裕はない。

キッチンでいつもより濃い目のコーヒーを一口飲むと、少しだけ頭が冴えた気がした。

コーヒーを持ったままリビングへ向かい、何気なく視線を送ったテーブルに、俺の目は釘付けになる。

テーブルには簡単な朝食と、小さなメモが置いてあった。

そこにはきれいな字で、昨夜はありがとうございました、とだけ記載されていた。

それを見た瞬間、昨夜の記憶がフラッシュバックする。

俺は愕然とし、しばらくそのメモを見つめることしかできなかった。
< 146 / 374 >

この作品をシェア

pagetop