僕は生徒に恋をした
高校に着くと、まだ部活まで時間があるため、体育館には誰の姿もなかった。

俺は倉庫からバスケットボールを出し、3ポイントのラインからシュートを打つ。

いつもはシュートを10本も打てば頭が冴えるのに、今日は調子も悪く、苛立ちばかりが募る。

八つ当たりで床に投げ付けたボールは、とんでもない方向に転がっていく。

それを拾いに行こうとした先に林原が立っていた。

「どうだった、昨日」

彼は転がっていったボールを拾い上げるとそう言った。

サッカー部顧問の彼も、練習のために頭痛を堪えて出勤したに違いない。

「どうもこうもあるか。
…最悪の二日酔いだ」

俺はため息混じりに答える。

―――それ以上に頭を痛める事実もあったけど。
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