僕は生徒に恋をした
俺は職員室を出て、非常階段に向かった。

そこは俺の憩いの場だった。

非常階段の踊り場は狭いが、一人で過ごすには十分な空間だった。

俺は以前から、時間が空くとここに足を運んでいた。

こんな場所に立ち入るのは俺くらいのもので、ここでは誰にも気兼ねすることなく、ゆったり過ごすことができる。

三階の踊り場でフェンスにもたれながら、何を見るでもなく裏庭を眺めるのが好きだった。

最近はやることが溜まっていてここに来る余裕がなかったため、そんな機会をくれたバレー部に感謝していると、大きな白いものが視界に飛び込んで来た。

「何だ、あれ」

俺は独り言をつぶやき、下を覗き込んだ。
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