僕は生徒に恋をした
「お前のことだ、しらふじゃ追い返すだろうからな」

どういうことだ。頭が混乱する。

「飲み過ぎるとダメなやつもいるけど、お前は大丈夫だったか?」

林原は何を言っているんだ。

それじゃまるで、俺が酔って佐藤先生と一夜を共にしたのは彼の計画だったように聞こえるじゃないか。

「ちょっと待ってくれ、冗談だろ?」

冗談がすぎる。

だって林原は佐藤先生を気に入っていた。

俺と彼女をくっつけて、一体何の得になると言うんだ。

「―――泣いたんだよ…」

林原はつぶやく。

「俺が告白したら、彼女、泣いて謝るんだよ。
お前が好きだって。
そんなの見たら、協力してやりたくなった」

何か言おうにも、声にならない。

この憤りと悲しみを、一体誰にぶつければ良いのだろう。
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