僕は生徒に恋をした
「俺が彼女をお前の家に行かせたんだ。
あれだけ酔ったお前なら、既成事実でもなんでも作れるって言ってな」

林原は笑う。

「案外簡単だったな。
優等生のお前も男だってことだ」

俺は林原を責める気にもなれなかった。

彼のしたことは確かに褒められた行為ではないが、こうなった責任は全て俺にある。

俺がしっかりしてさえいれば、佐藤先生とこんなことにはならなかった。

「彼女と付き合うのか?」

林原の言葉に、俺は迷って首を振る。
どうしていいか分からないのが本音だ。

「問題ないだろう。
彼女はお前が好きで、お前には恋人がいない。
それに、何より美人だ」
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