僕は生徒に恋をした
俺はチケットを全て使い切ろうと、他のクラスの模擬店を次々と覗く。

「あ、佐々ちゃんだ」

「佐々ちゃん、来てくれたの」

喜んでくれる生徒を見て、自分で足を運んで良かったと思う。

無料でもらうばかりじゃ悪いので、チケットの商品以外にも自腹でいくつか購入する。

食料をたくさん抱え、俺は最後に3-Bの模擬店に顔を出した。

すぐに山田を捕らえてしまう俺の目が、未練がましくて情けない。

山田は模擬店の後方で、野菜と格闘していた。

俺はその様子を見て苦笑する。

「佐々ちゃん、いらっしゃい」

俺はカウンターにいた武内にチケットを渡し、他にも注文をした。

焼きそばが出てくる間、山田を見つめる。

彼女は俺に気付いていないようで、女友達と何やら話しながら作業をしていた。
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