僕は生徒に恋をした
俺は持っていた荷物なんかそっちのけで彼女に駆け寄る。

彼女の体を抱え、呼吸がしっかりしているのを確認してホッとした。

食事を摂っていないと言っていたし、そのせいで倒れたのだろうか。

山田を抱えたとき、ほのかにした香水の香りに、それどころでないのに俺の胸はまた脈打った。

保健室は学園祭期間のため無人だったが、連絡をとると保健室の先生が飛んで来た。

「低血糖によるめまいと、脳貧血ね。
そのうち目が覚めるわよ」

ベッドに横たわった山田の様子を見て保健の先生がそう言うと、俺はやっとホッとすることができた。
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