僕は生徒に恋をした
すやすやと規則正しい寝息を立てる彼女に、俺は微笑む。

彼女が寝ている間だけでも、こうして側にいられるのが幸せだった。

山田が目を覚ましたのは二時間以上後のことだった。

彼女が小さな声を漏らし、目を擦ったのを見て俺は声をかけた。

「目が覚めたか」

山田は俺の声に驚いて目を開けた。

「先生!」

山田が起き上がろうとするのを俺は制止して言う。

「お前は脳貧血で倒れたんだよ。
今は午後5時前、ここは保健室」

他に質問は、と聞くと山田は俺の目を見た。

「何で先生が…?」

まぁ、当然の疑問だよな。
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