僕は生徒に恋をした
そんな彼女をかわいいと思う俺の選択は、きっと間違いじゃない。

俺は横に停めてあった自転車を引いてゆっくり歩き出す。

山田は俺の後を追いながら口を開いた。

「聞きたいこと、いっぱいある」

俺は彼女を振り返って、何?と眉を上げる。

山田は小走りで俺の横に並び、指を折りながらつぶやいた。

「あのとき武内くんと何話してたの、とか…」

山田の話だよ。

「何で今、私を待っててくれたの、とか…」

それは山田に会いたかったから。

「何であのとき、抱きしめてくれたの、とか…」

俺は山田が好きなんだ。

「もしかして先生は、少しは私のこと、好きなんじゃないか、とか…」

山田は俺を見上げた。
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