僕は生徒に恋をした
「俺を呼べばいいよ」

俺は、山田と出会ってから、自分の嫉妬深さを思い知った気がする。

「大丈夫だよ?
ああ見えて、お兄ちゃん面倒見いいから」

「―――違う。
ただの嫉妬」

山田はやっと気付いて赤面する。

「え?でもお兄ちゃんだよ。
本当に何とも思ってないし。
何とも思われてるわけないし」

それは手嶋先生本人にも聞いたから分かってる。
だけど。

「分かってても、面白くないんだよ」

山田につられたのか、俺も頬が熱い。

俺はこんなに嫉妬深くなかったはずなのに、と山田に聞こえないようにため息をつく。

俺は山田から携帯電話を借りると、俺の番号とメールアドレスを登録した。

「いつでも掛けてきていいから」

そう言って電話を返すと、山田は俺を見上げた。

「今夜じゃなくても、何か用事があったら掛けてもいい?」

当たり前だろ、と俺は笑い、その後に付け足す。

「いいよ、別に用事がなくても」

山田がふわっと笑う。

途端に胸が高鳴って、俺は本当に彼女にハマってるんだと実感する。
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