僕は生徒に恋をした
「本当、見損なったよ。
かわいい教え子から恋人奪うんだから」

内心、先に奪ったのはお前だと思ったが、情けないから言うのは我慢する。

「でも同じくらい見直した」

武内が俺の肩を強く叩く。

「佐々ちゃんだから譲るんだからな」

山田を好きになったのが、付き合ったのが武内で良かった。

「言っとくけど、山田は手強いよ」

彼の言う意味が分からず、俺は眉をひそめる。

「あいつ、付き合ったりすんの俺が初めてだって言ってた。
男に免疫なさすぎて、何も知らないから」

思い当たる節がありすぎて、俺は黙る。

「無理矢理手ぇ出したら、佐々ちゃんの場合は犯罪だからね」

武内はベーっと舌を出した。

「うるさいよ」

俺は笑って言うと、武内からボールを取り上げた。
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