僕は生徒に恋をした
その日、22時を回っても山田からの電話はなかった。

いくら熱心に指導を受けたにしても、さすがに遅すぎる。

俺は迷った末に山田に電話をかけた。

「もしもし」

出たのは洋平だった。

「何で山田の携帯にお前が出るんだよ」

「雛ちゃんなら、シャワー浴びてるよ」

「―――冗談はいいから」

俺はため息混じりに言う。
洋平のくだらない冗談に付き合ってる余裕はなかった。

「つまんねぇの。
彼女、携帯置いてったんだよ。
クッションの下に隠れてたみたいで、俺も今気付いた」

彼女から電話がなかった理由が分かり、納得した。
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